|
乳頭から分泌物が出ることはままあることです。その場合の注意点を癌との鑑別を中心に述べてみます。まず、分泌物がどこから出てきているかを観察して下さい。乳頭には片側だけで20個くらいの穴があります。そのうちの1個の穴だけからなのか、複数個の穴からかを見て下さい。次に出てきている分泌物の性状を見て下さい。豆腐のかすのようなものか、さらさらしたものか、色はミルク色か、無色か、黄色か、血の混じった色かなどです。癌の場合には両方の乳房に多発することはまづありませんので、片側の乳房だけからで1個の孔からでかつ血の混じった色をしていることがほとんどです。この場合でもポリープからの出血が大部分で、癌のことは確率的には低いのです。
両側からさらさらとした分泌物がある場合には、乳汁分泌ホルモンの異常の場合もあります。この場合には採血してホルモンの値を測ればすぐに分かります。
検査としては、マンモグラフィ、超音波検査、乳汁分泌ホルモンの採血などの他、細胞診、乳汁分泌液中のCEAという物質の測定、MRI、分泌のある乳管から造影剤を注入してのマンモグラフィなどがあり、これらでも診断がつかない場合や、ポリープ、癌などが疑われる場合には、生検といって外科的に摘出手術をすることもあります。
このほか、乳頭の穴からではなく、本当に乳頭あるいは乳輪の皮膚から黄色い分泌物があり、かゆみを伴うことがあります。これはアトピー皮膚炎など皮膚の病気のことがほとんどです。
これらの鑑別は難しいため、片方の乳房の1箇所のみからの分泌物の場合には外科に、両側の分泌物の場合には外科あるいは婦人科に受診して下さい。
|